腰部脊柱管狭窄症の手術は2種類【入院期間・手術費用はいくら?】

shujutsu腰部脊柱管狭窄症の手術は基本的に1度のみ。2回も3回も手術することは、基本的にありません。だからこそ、手術前にはさまざまなことを知っておく必要があるのです。

腰部脊柱管狭窄症の薬物療法の経過が思わしくなく手術を検討するなら、後から後悔しないために、より慎重に行いたいものです。手術の方法は複数あるので、それぞれの手術方法、入院期間、入院費用、手術のリスクなどをご紹介します。

1.除圧術
1ー1.椎弓切除術
1ー2.拡大開窓術
1ー3.棘突起縦割式椎弓切除術
1ー4.内視鏡手術
2.除圧固定術
こちらで紹介する手術方法は一例です。他にも様々な手法、名称があります。


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1.除圧術

腰部脊柱管狭窄症の手術は、大きく分類すると除圧と除圧固定の2種類です。
手術の目的は、背骨の神経を圧迫している黄色靭帯や骨の一部を取り除くこと。これを除圧といいます。背骨が不安定な場合は、除圧に加えて背骨の固定を行います。

1ー1.椎弓切除術

脊柱管狭窄を起こしている部分が広い場合採用される手術法です。棘突起や椎間関節の一部、黄色靭帯まで、椎弓を広い部分に渡って切除します。
入院期間 約15日から20日間

1ー2.拡大開窓術

椎弓を丸ごと切除するのではなく、神経を圧迫している椎弓の部分だけを切除するのが拡大開窓術と呼ばれています。最も普及している安全で確実な手術法です。狭窄の強くない場合によく採用されています。
入院期間 約17日間
手術費用 約100万円
開窓術 椎弓切除術
出典元:厚生中央病院 手術療法

1ー3.棘突起縦割式椎弓切除術

背骨の棘突起を真ん中から縦に割り、筋肉をつけたまま左右に広げ、神経を圧迫している椎弓の一部を取り除きます。筋肉の損傷が少ないので手術後の筋肉の痛みが少ないという特徴があります。
入院期間 12日から2週間
手術費用 約85万円
棘突起縦割式椎弓切除術
出典元:慶應義塾大学病院 腰部脊柱管狭窄症

慶應義塾大学病院で腰部脊柱管狭窄症の手術をするときは、第一に「棘突起縦割式椎弓切除術」を検討するそうです。

1ー4.内視鏡手術

直径2センチ程度のレトラクターと呼ばれる円筒状の器具を椎弓まで差し込み、その中に直径3ミリのカメラを装着した内視鏡や手術器具を入れて手術を行います。モニターに映し出された映像を見ながら神経を圧迫している骨、黄色靭帯の切除を、直径2センチ程度の狭い筒状の中で行うので医師には熟練した高度な技術が必要です。

内視鏡手術のメリット
・筋肉の損傷が最も少なく、術後の痛みが少ない
・他の手術方法に比べ、入院期間が短く済む

内視鏡手術のデメリット
・手術範囲が狭い。2椎間まで。
・近年の医療器具の発達でできるようになった手術方法ですが、対応している病院が少ない。
入院期間 9日間
手術費用 約100万円

岩井整形外科 腰部脊柱管狭窄症内視鏡下手術の動画
L4/5の脊柱管狭窄症を内視鏡下に椎弓を切除する手術 (79歳男性)

手術の手順を紹介
局所麻酔

ダイレーターで椎弓上の筋肉を剥離

内視鏡を挿入して椎弓を露出

ノミで椎弓を切除

黄色靭帯を切除

神経を圧迫している部分を除圧

内視鏡を抜いてドレーンを挿入

最後に縫合して終了

内視鏡手術の認定医は、日本整形外科学会認定脊椎内視鏡下手術・技術認定医名簿 に載っています。

内視鏡手術に対応している病院は少なく、内視鏡認定医名簿に1人も記載されていない都道府県が8県あります。(山形県、栃木県、石川県、岐阜県、三重県、鳥取県、宮崎県、沖縄県)

2.除圧固定術

腰椎すべり症などで腰椎がぐらつき不安定なときは、除圧に加えて背骨を安定させる固定術を行います。神経を圧迫している骨や黄色靭帯を取り除く「除圧」は他の除圧術と同じです。

固定術とは
・椎骨の間にあるつぶれた椎間板を取り出し、そこに骨を移植して上下の椎骨を接合する。
・移植した骨がくっつく迄の間、上下の椎骨をスクリューで固定する

固定術には様々な手術名称があります。

除圧をレトラクター(円筒状)内で行い、皮膚を通してスクリューを刺入れし、ロッドも切開せず皮膚ごしにいれるMIS固定術の場合
入院期間 8日間程度
手術費用 約150万円

最新手術法 XLIF(エックスリフ)のニュースはこちら

手術費用は入院期間、合併症などにより異なります。おおよその目安としては除圧だけの場合は100万円位、除圧+固定術の場合、200万円位かかるといわれています。しかし、公的保険と高額療養費制度を利用することで、自己負担額を少なくすることができます。(費用例:川口総合病院疾患別概算表

先端医療は自費診療(引用元:あいち腰痛オペクリニック)となる場合があります。保険適用されない手術費用には、高額療養費制度は使えません。

高額療養費制度を200万円の手術に利用したときの負担額

高額療養費制度を利用される皆さまへ
平成29年8月から平性30年7月診療分まで

高額療養費制度を利用される皆さまへ
平性30年8月診療分から

高額な医療費負担を公的に補助する「高額療養費制度」は、利用者の年齢、所得、家族構成により負担額が決められています。特に年齢が70歳未満と70歳以上では負担額に大きな差があります。
腰部脊柱管狭窄症の除圧固定術の手術をおこない費用が200万円かかるときに、高額療養費制度を利用すると自己負担額がいくらになるかを年齢、年収別に調べてみました。

70歳未満、年収1,160万円以上の方の場合
窓口負担(3割)は200万円×3割=60万円
1ヶ月の負担の上限 252,600円+(2,000,000円−842,000円)×1%=264,180円
600,000円−264,180円=335,820円 申請後に335,820円が支給されます。

70歳以上、一般区分の方の場合(自己負担割合2割の方)
窓口負担(2割)は200万円×2割=40万円
1ヶ月の負担の上限 44,400円 平性29年8月分より 一月の上限金額57,600円
400,000円−44,400円=355,600円 申請後に355,600円が支給されます。400,000円−57,600円=342,400円 申請後に342,400円が支給されます。

70歳以上、家族全員の所得が0円の方の場合(自己負担割合1割の方)
窓口負担(1割)は200万円×1割=20万円
1ヶ月の負担の上限 15,000円
200,000円−15,000円=185,000円 申請後に185,000円が支給されます。

加入する医療保険から事前に「所得区分」の認定証 を発行してもらうと、窓口での支払を負担の上限額までにすることができます。
引用元:厚生労働省 高額療養費制度を利用される皆様へ (平成27年1月から一部変更)

70歳以上の方が腰部脊柱管狭窄症の手術を行う際の実質の負担費用は、差額ベッド代など含めると10万円程度ではないでしょうか。(所得、家族構成等により異なります)

追加 2017年8月より、高額療養費制度の70歳以上の自己負担額限度額が上がります。つまり自己負担が今までより多くなります。今後も高額療養費制度は改定が行われるので、利用予定の方は、まめに内容をチェックして下さい。

引用元;厚生労働省保険局公明党ニュース 70歳以上 高額療養費制度見直し

 

腰部脊柱管狭窄症の手術 まとめ

  • 神経を圧迫している部分、背骨の状態など総合的に判断して、手術の方法を選択します。
  • 高額療養費制度を使うと、手術費用の負担額を少なく済ますことができます。

病院利用メモ
大病院の場合、紹介状がないと受診できないことがあります。
事前に専門医の診察日、曜日を確認することをおすすめします。

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