腰部脊柱管狭窄症の原因は老化!?
お尻、太もも、ふくらはぎの痛みやしびれ、長い距離を歩くことができない「間欠性跛行」の症状が特徴の腰部脊柱管狭窄症に悩む方が、最近とても増えています。
長く歩くことができないので、「外に出られない」「立ち仕事を続けるのが困難になった」「起きると辛いので寝てばかり」という方もいます。
薬物療法、運動療法などの治療で生活の質を向上させることは可能ですが、腰部脊柱管狭窄症という病気の原因を知っておくことも対策をたてるうえでは大切です。
腰部脊柱管狭窄症のことを調べると、原因は加齢や老化といわれます。学会、大学病院のホームページによると多くは「腰部脊柱管狭窄症の原因は加齢」と述べられています。
加齢、労働、あるいは背骨の病気による影響で変形した椎間板と、背骨や椎間関節から突出した骨などにより、神経が圧迫されます。
引用元:日本整形外科学会「腰部脊柱管狭窄症」原因と病態
生まれつき脊柱管が狭い先天性の場合もありますが、変形性脊椎(せきつい)症による椎体の骨棘(こっきょく:椎体外側にできる骨の棘(とげ))や、変性すべり症、椎間板の膨隆、黄色靱帯の肥厚、椎間関節の肥厚変形など、背骨に加齢に伴う変化が加わることが原因で脊柱管の狭窄が起こります。老化現象の一つで、年をとると多かれ少なかれ脊柱管は狭くなっていきます。
引用元:大日本住友製薬 腰部脊柱管狭窄症ってどんな病気?
しかし、MRIで狭窄があった場合、すべて脊柱管狭窄症というわけではありません。加齢現象で脊柱管は狭窄するのですが、画像上で脊柱管狭窄があっても必ずしも症状が出現するわけではありません。引用元:慶應義塾大学病院 腰部脊柱管狭窄症
脊柱管の狭窄は加齢が原因。
腰部脊柱管狭窄症は腰椎の椎間板と椎間関節の変性を基盤として神経の通路である脊柱管や椎間孔が狭小化することで、特有の症状を呈する症候群である。 〜中略〜 腰部脊柱管狭窄症は、同一の原因によると考えられるが、現在のところ明確な病態が不明であり、原因が明確になれば将来再分類される可能性がある。以上の観点から、「変性脊椎すべり症」と「腰部脊柱管狭窄症」とを同一レベルにて論ずるのは不適切であり「変性脊椎すべり症による腰部脊柱管狭窄症と脊椎症による腰部脊柱管狭窄症」、あるいは「変性脊椎すべり症と脊椎症」などの表現が妥当である
出典元:腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2011
腰部脊柱管狭窄症には、脊椎が前後にすべる「腰椎変性すべり症」と椎間板やその近くの椎骨が変形する「脊椎症」などがあるがあります。
現在のところ、腰部脊柱管狭窄症の定義について完全な合意は得られていない。
出典元:腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2011
年をとるとお肌の水分が少なくなり、顔にシワが目立つようになることを実感しますよね。
お肌だけでなく背骨の椎骨と椎骨をくっつける役割の「椎間板」も、お肌と同じように水分が少なくなります。
椎間板の水分が少なくなると弾性がなくなるので、背骨がずれたり、変形しやすくなります。年齢とともにお肌の弾力がなくなるのと一緒です。
長時間椅子に座るディスクワーク、長距離トラックの運転手、建設現場の作業員、背中を丸めた状態で作業する農業、畜産業従事者など腰に大きな負担がかかっている方が、年齢を重ねて腰部脊柱管狭窄症になることがあります。
腰部脊柱管狭窄症の原因 まとめ
- 腰部脊柱管狭窄症は50歳以上に多く、高齢化とともに急速に増えている病気です。
- 腰部脊柱管狭窄症診療ガイドライン2011によると、病気について解明されていないことが多いようです。
- 腰部脊柱管狭窄症にならないためには、日頃から「腰に無理な負担をかけない」ことが大切です。
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